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陽松庵ようしょうあん

大阪府池田市にある、静かな山麓に佇む曹洞宗の禅寺。

所在地 大阪府池田市吉田町179
TEL 072-751-2229
山号 待鳳山
宗派 曹洞宗
中興年 享保6年(1721年)
創建年 観応2年(1351年)
文化財 木造釈迦如来坐像/木造菩薩坐像(鎌倉〜室町期)/梵鐘(江戸時代)

参禅と四季の庭が織りなす、池田の禅寺・陽松庵

陽松庵は、静かな山麓に佇む曹洞宗の禅寺です。その起源は1351年(観応2年)、臨済宗の名僧・夢窓疎石によって創建されました。しかし、約300年後には荒廃し、廃寺同然の状態となっていました。

1713年(正徳3年)、地元の豪商・牡丹屋下村小兵衛が土地を提供し、徳島藩第七代藩主・蜂須賀宗秀の支援のもと、家老で淡路城主の稲田九郎兵衛種栄が伽藍を建立。1721年(享保6年)に天桂禅師を開山として再興され、曹洞宗の参禅道場として新たな歴史を刻み始めました。

境内には本堂、鐘楼、茶室、経堂などの堂宇が整い、木々や池に囲まれた静謐な空間が広がっています。また、鎌倉末期から室町時代にかけての木造釈迦如来坐像や菩薩坐像、江戸時代の梵鐘など、歴史的価値の高い文化財も多数所蔵されています。

陽松庵のあゆみ

  • 1351年
    (観応2年)

    陽松庵 創建

    臨済宗の高僧・夢窓疎石によって開かれたと伝わる。

  • 1600年代後半
    (江戸時代初期)

    寺運の衰退

    戦乱などにより堂宇が荒廃し、ほぼ廃寺状態となる。

  • 1713年
    (正徳3年)

    再興の始まり

    豪商・下村小兵衛が土地を提供し、再建の動きが始まる。

  • 1721年
    (享保6年)

    曹洞宗として再建

    天桂禅師を開山に迎え、曹洞宗の禅道場として再興される。

  • 1735年
    (享保20年)

    天桂禅師 示寂

    中興の祖・天桂伝尊禅師が示寂し、境内西側に墓所が築かれる。

  • 1776年
    (安永5年)

    伽藍整備の完了

    稲田九郎兵衛の寄進により、本堂・禅堂などを含む伽藍が整う。

  • 1970年代以降
    (昭和後期)

    文化財の指定

    平安~室町期の仏像・石塔などが池田市の文化財に指定される。

  • 2010年
    (平成22年)

    子ども禅のつどい開催

    座禅体験を通じて、地域の子どもたちに禅文化を伝える行事を実施。

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