所在地 | 大阪府池田市東山町373 |
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TEL | 0727514519 |
山号 | 瑠璃光山 |
宗派 | 曹洞宗 |
本尊 | 釈迦如来 |
創建 | 慶長9年(1604年) |
開山 | 東光(とうこう) |
東禅寺(とうぜんじ)は、大阪府池田市東山町にある曹洞宗の寺院で、山号を「瑠璃光山」といいます。奈良時代に行基菩薩が当地に創建した紫雲寺を前身とするとの伝承がありましたが、その後一時荒廃しました。江戸時代初期の慶長9年(1604年)、僧・東光禅師によって再興されて以来、400年以上の歴史を重ねる古刹です。本尊として釈迦如来坐像を祀り、平安時代後期の仏像群など多数の文化財を所蔵しています。また、境内から瑠璃色の光が降り注いだとの神秘的な伝説があり、山号「瑠璃光山」(瑠璃光=瑠璃色の光)もこれにちなむとされています。
現在の本堂建物は昭和後期になって再建された比較的新しいものですが、内部には本尊・釈迦如来の坐像が安置されています。屋根の鬼瓦(おにがわら)には「揚羽蝶(あげはちょう)」の紋章が飾られており、戦国武将の織田氏や池田氏との関わりを示唆する意匠となっています 。
山門は寺域の入口に建つ門で、切妻造瓦葺きの簡素な造りです。麓から石段混じりの坂道を登った先にあり、境内への表玄関となっています(門前付近まで車で進入できますが道幅が狭いため注意が必要です )。
本堂脇には観音堂があり、平安時代後期の仏像群を安置する収蔵堂となっています。堂内の本尊は十一面観音菩薩立像で、この像を含め薬師如来坐像および二躯の天部立像(増長天像など)を収蔵しています。これら四躯の仏像はすべて池田市の指定文化財(有形文化財)に指定されており、中でも天部立像二躯は平成22年に大阪府指定文化財にも昇格しました。諸像はいずれも行基菩薩が開いたと伝えられる旧・紫雲寺の由緒を持つ古仏であり、寺の宝物として大切に保存されています。
山門へ向かう途中の少し開けた場所に薬師堂が建っています。こぢんまりとした小堂ですが薬師如来を祀っており、かつては近隣住民がお参りする場ともなっていたようです。現在では参道途中の目印ともなっており、参拝者はこの付近に車を停めて徒歩で本堂へ向かうこともできます。
8世紀頃
(奈良時代)
行基菩薩が当地に「紫雲寺」を開創したとの伝承が残る。明確な創建年代は不詳だが、寺号から紫の雲にまつわる霊験伝説があったともいわれる。
16世紀末
(戦国時代)
中世末期の争乱に巻き込まれて堂宇が焼失し、紫雲寺は一時廃絶したと伝えられる。応永年間(14世紀末)建立の宝篋印塔が残存することから、この頃まで寺運が続いていた可能性がある。
1604年
(慶長9年)
慶長9年2月、僧・東光が荒廃した紫雲寺の旧跡に草庵を結んで入寺し、寺院を再興する。寺号も「東禅寺」と改められ、以後この名称が定着した。翌年には池田氏(池田光重)から寺領10石の寄進を受けるなど、庇護も得たとされる。
江戸時代
(17~19世紀)
東禅寺は池田氏の菩提寺である曹洞宗・大広寺の末寺となり、同寺の支援のもと寺運興隆に努めた。江戸期を通じて住職は代々東光の法脈を継承し、明治維新までに中興開山から数えて7世(創建から通算20世)の住職が歴任している。
2004年
(平成16年)
東禅寺に伝来する平安後期の仏像(薬師如来坐像・十一面観音立像・天部立像二躯)が池田市指定有形文化財に指定された。現在これらは観音堂に安置され、非公開ながら寺宝として保管されている。
2010年
(平成22年)
東禅寺所蔵「木造天部立像 二躯」が、大阪府指定有形文化財(彫刻)に新たに指定された。これにより東禅寺の古仏群は市・府双方から文化財指定を受けたことになる。