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龍王山りゅうおうざん

モダン建築と自然が調和する霊場

所在地 大阪府箕面市箕面2丁目14-1
宗派 高野山真言宗
山号 龍王山(りゅうおうざん)
本尊 遍照金剛菩薩座像(弘法大師空海像)
創建 平成14年(2002年)11月開山
拝観時間 9:00~17:00(年中無休)
HP daishiji.jp

ふれ愛観音と地下護摩堂が体感できる、現代建築と自然が調和する箕面の新名所

龍王山大師寺の山門と本堂(奥に見える大屋根)。近代的な建築様式と豊かな自然環境が調和している。龍王山大師寺は大阪府北部・箕面市に位置する高野山真言宗の寺院で、平成14年(2002年)に落慶開山した比較的新しいお寺です。日本の滝百選に選ばれた箕面大滝を擁する北摂・箕面山麓の風光明媚な高台にあり、夏の新緑や秋の紅葉に囲まれた自然豊かな環境が自慢です。阪急箕面駅からほど近い場所ながら見晴らしの良い丘の上に建ち、境内からは大阪市内まで一望できる絶景スポットにもなっています。近代的で美しい本堂やユニークな仏像など見どころが多く、伝統と現代が融合した霊場として親しまれています。

  • 本堂

    大師寺の本堂は側壁が総ガラス張りとなっており、空中に浮かぶ極楽浄土をイメージした優美な大屋根の近代的建築です。全国でも類を見ない美しく重厚なデザインで、内部は開放的で明るい雰囲気となっています。本堂内には、非常に古い金剛界・胎蔵界両部曼荼羅が安置されており、貴重な密教美術を拝観できます。また、信徒の願いを託した身代わり千体大師(弘法大師の小像千体)も奉納されており、永代供養のための法灯が常に灯されています。ガラス越しに差し込む自然光の中、伝統と現代性が調和した本堂は必見のスポットです。

  • 護摩堂

    本堂の地下には護摩堂が設けられており、石畳の階段を下りると目にも眩しい発光床(ひかりゆか)が現れる幻想的な空間になっています。地下に護摩堂があるのは非常に珍しく、神秘的な雰囲気の中で祈りを捧げることができます。護摩堂には中央に不動明王、東に降三世明王、南に軍荼利明王、西に大威徳明王、北に金剛夜叉明王の五大明王が怒りの表情で鎮座しており、その圧倒的な存在感で参拝者を迎えてくれます。

  • ご本尊

    大師寺の本尊は弘法大師空海の御影として唯一現存する肖像画に基づき制作された「遍照金剛菩薩座像」です。真如親王筆と伝わる空海肖像をもとに彫刻家・石黒孫七氏がコンピューターグラフィックで立体化し、それを忠実に再現して造立されたもので、「生身の弘法大師」と呼ばれます。像の胎内には五臓六腑が納められ、心臓部には松久宗琳作の弥勒菩薩が収められているという極めて特異な尊像で、現世に実在した弘法大師そのもののお姿を表現しています。蓮華座に座した大師像は非常に珍しく、参拝者を常に温かく見守り、悩み苦しみに耳を傾けて導いてくださるありがたい仏様です。真言は「南無大師遍照金剛」を七遍となえてお参りします。

  • ふれ愛観音

    本堂前には「ふれ愛観音」と名付けられた観音菩薩像が安置されています。これは「最後の仏師」とも称された彫刻家・西村公朝(にしむら こうちょう)師が全国約60箇所の寺院のために制作した触れる仏像の一つです。その名のとおり手で触れて拝むことができる観音像で、目の不自由な方にも仏様を身近に感じてほしいとの願いから生まれました。きっかけは、全盲の女性が「一度でいいから仏像に触れてみたい」と願ったことにあり、西村師が彼女を仁和寺に招いて国宝の阿弥陀如来像に触れさせたエピソードが知られます。この女性との出会いから発案された「ふれ愛観音」は、「触れる仏像」として仏の愛を受け取り、こちらの愛も伝えるというコンセプトを持っています。大師寺のふれ愛観音も参拝者が自由に触れることができるので、ぜひ手で触れて温もりを感じながら祈りを捧げてみてください。真言は「オン・アロリキャ・ソワカ」を三遍となえます。

龍王山のあゆみ

  • 2002年11月
    (平成14年)

    龍王山 大師寺の開山

    龍王山 大師寺が現在地に落慶・開山。高野山真言宗の新寺院として建立され、山号を「龍王山」と称す。本尊・遍照金剛菩薩(弘法大師)像が開眼供養され、同時に本堂前へ仏師・西村公朝作の「ふれ愛観音」像を安置。

    以降、初護摩(1月)、節分祭(2月)、弘法大師御誕生を祝う青葉祭(6月)、盂蘭盆会(8月)、しまい弘法(12月)など年間行事を執り行い、地域信仰の拠点として現在に至っている。

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