所在地 | 大阪府箕面市瀬川2-19-10 |
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TEL | 0727213919 |
山号 | 鈴石山 |
宗派 | 浄土真宗本願寺派 |
本尊 | 阿弥陀如来 |
創建 | 不詳(江戸時代頃と推定) |
願正寺の詳しい創建年代や開基(創建者)は明らかになっていませんが、江戸時代には既に当地に存在していたと考えられます。箕面市瀬川・半町地区は京都と大阪を結ぶ旧西国街道の宿場町として栄え、当時は大名行列(参勤交代)が行き交う交通の要所でした。願正寺も西国街道の半町付近に位置し、旅人や地域の人々の信仰の拠り所として古くから親しまれてきたと伝えられます。山号の「鈴石山」は、境内にある丸い石を揺すると鈴のような音が聞こえたという伝説に由来しており、そのユニークな逸話が寺の象徴となっています。派手さはありませんが、寺院自体の佇まいからは長い歴史と地域に根ざした温かみが感じられ、静かな住宅街の一角でひっそりと文化財の香りを伝えています。
願正寺の境内はこぢんまりとしていますが、趣ある本堂が静かに建ち、本尊の阿弥陀如来像がお祀りされています。最大の見どころは伝説の「鈴石」です。境内に形の良い丸石が三つあり、これを揺さぶると鈴の音が聞こえたと伝えられ、その不思議な石ゆえに「鈴石山」の山号が付けられました。はっきりと澄んだ鈴の音が響くわけではなく、かすかに鈴の音色のようなものが感じられる程度でしたが、珍しい現象として語り継がれています。現在、境内は一般公開されていないため残念ながらこの鈴石を直接目にすることはできませんが、門前から静かに手を合わせ、その伝説に思いを馳せるだけでも神秘的な雰囲気を味わうことができます。寺の周辺にはかつての本陣跡や史跡も点在しており、願正寺は歴史散策の途中に立ち寄るスポットとしても静かな魅力を放っています。
創建(時期不詳)
正式な創建年は不明ですが、江戸時代以前より当地に寺があったと伝えられます。西国街道沿いの地に開かれ、山号「鈴石山」の由来となる鈴石の伝説が古くから語られてきました。
江戸時代
西国街道の宿場町・半町の寺として、地域住民や旅人の信仰を集めました。付近には大名の宿泊施設である本陣も置かれ、願正寺は町の景観の一部として機能していたと考えられます。
明治時代
廃仏毀釈などの動きがあった中でも浄土真宗本願寺派の寺院として存続し、地域の檀信徒によって守られました。以降も寺子屋的な活動や年中行事を通じ、地域に密着した寺院としての役割を果たしています。
1995年
(平成7年)
1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、震源に近い大阪北部も大きく揺れましたが、当寺は奇跡的に大きな被害を受けずに済みました。その後も地域の復興を支えつつ、寺院としての活動を継続しています。