| 所在地 | 大阪府大阪市西淀川区御幣島1-6-17 |
|---|---|
| 山号 | 泰心山 |
| 宗派 | 浄土真宗(単立寺院) |
| 本尊 | 阿弥陀如来(浄土真宗の教義に基づく) |
| 創建 | 平成元年(1989年)に尼崎市杭瀬で創立、平成18年(2006年)に現在地へ本坊移転 |
| 開山 | 山田博泰(初代住職) |
| HP | saieiji.jp |
西栄寺は20世紀末に創建された新しい浄土真宗寺院です。その始まりは1980年代初頭、当時本願寺派の僧侶であった山田博泰師が「檀信徒の皆様にとってもっと親しみやすいお寺を」との願いで尼崎市園田の長屋に赤い郵便受けを掲げ、自宅の一室を仏間として始めた布教活動でした。やがてニュースレターの発行など地道な活動が実を結び、昭和末期から平成にかけて信徒が増加。平成元年(1989年)には念願の本格的な寺院を兵庫県尼崎市杭瀬に建立し、これが西栄寺の起点となりました。
平成8年(1996年)に宗教法人 西栄寺として正式認可を受け浄土真宗本願寺派から独立し、以後はどの派にも属さない単立の寺院として歩み始めます。平成10年(1998年)には大阪府堺市中百舌鳥に堺支坊(分院)を開設するなど布教拠点を拡大し、平成18年(2006年)には大阪市西淀川区御幣島に現在の本坊(大阪本坊)を新築しました。この大阪本坊への移転により、西栄寺は大阪市内でも本格的な伽藍を備える都市型寺院として新たなスタートを切りました。
創建以来、西栄寺は「地域の人々に開かれたお寺」であることを理念に掲げています。従来の寺院の枠にとらわれず現代社会に即した活動を積極的に取り入れており、永代供養墓・納骨堂「泰心堂」の整備など都会のニーズに応える最新設備を備える一方、僧侶自ら音楽バンド演奏や講座(こころ塾)を通じて地域住民と交流するといったユニークな取り組みでも知られています。
例えば毎年敬老の日には住職らによる「西栄寺バンド」のライブイベントが開催され、コミカルなトークや演奏で大いに賑わうなど、お寺が地域コミュニティの中心として親しまれています。こうした活動や福祉事業への積極的な参加が評価され、令和6年(2024年)には西淀川区社会福祉協議会から地域貢献に対する感謝状も贈られました。
西栄寺は一般の参拝客にも門戸を開いており、毎朝7時45分からの朝のお勤め(朝勤行)には宗派を問わず誰でも参加できるよう案内されています。新しい時代にふさわしい開かれた寺院として、仏教の教えを現代に伝え人々の心の拠り所になることを目指している寺院です。
西栄寺の山門は木造入母屋造の伝統的な門構えで、本瓦葺の屋根と「泰心山西栄寺」の額が掲げられている。門をくぐると白壁と木目を基調とした本堂が正面に現れ、堂宇の落ち着いた佇まいが古刹の趣を感じさせる。平成18年築の本堂内部には阿弥陀如来をご本尊とする礼拝空間があり、法要や法事に対応する近代的な設備を備える。
境内に設けられた納骨堂「泰心堂」は、都市の住宅事情に対応した室内型の納骨施設である。宗派を問わず利用でき、電子過去帳のモニターで故人の法名や写真を表示できる最新設備を導入。現代的な機能を持ちながら「お骨の前で手を合わせられる温かみのある納骨堂」として遺族に親しまれている。本堂隣に位置し、法要施設や約30台分の駐車場も完備している。
境内には鐘楼堂が設けられ、毎年8月6日の「平和の鐘」法要では、西淀川区内の寺院とともに原爆慰霊の鐘が撞かれる。梵鐘の音は地域の平和を祈る象徴として受け継がれており、参詣者にも親しまれている。
境内の庭園には多数の羅漢像が配されており、それぞれがユーモラスな姿や表情を見せる。訪れた人々が「ホッとする」「夢中で羅漢探しをしてしまう」と語るほど人気の見どころ。コミカルな僧侶像や子どもの仏像など、遊び心あふれる仏教彫刻が伝統と現代性を融合させている。
境内には高齢者介護施設「はいにこぽんのいえ」が併設されており、平成29年(2017年)に完成。西栄寺が運営する介護事業「お寺の介護 はいにこぽん」の一環で、本堂の静寂と介護施設の賑わいが共存する独自の空間を形成している。寺院が地域の福祉拠点として機能する現代的な取り組みとして注目されている。
1980年代
(昭和55年前後)
山田博泰師が尼崎市園田の長屋で布教活動を開始。自宅一室に掲げた赤い郵便受けを拠点に「西栄寺」の名で檀信徒との交流を始める。
1989年
(平成元年)
兵庫県尼崎市杭瀬に念願の寺院(初代本堂)を建立。西栄寺が実質的に開創される。
1996年
(平成8年)
宗教法人「西栄寺」として正式に認可を受け、浄土真宗本願寺派から独立。
1998年
(平成10年)
大阪府堺市中百舌鳥に堺支坊を開設し、布教拠点を拡大。
2006年
(平成18年)
大阪市西淀川区御幣島に本堂・山門など伽藍を新築し、大阪本坊を創建。以後、西宮・東京・西成などに布教拠点を設立。
2014年
(平成26年)
寺院が主体となり訪問介護事業を開始。住職や僧侶・職員がヘルパー資格を取得し、在宅介護支援を実施。
2017年
(平成29年)
境内にサービス付き高齢者住宅兼デイサービス施設「はいにこぽんのいえ」が完成。高齢者福祉と寺院活動の融合を図る。
2024年
(令和6年)
西淀川区社会福祉協議会より地域貢献活動に対して感謝状を受領。現在も「地域に開かれた寺」として布教と社会活動に積極的に取り組んでいる。