所在地 | 大阪府池田市神田3-4-5 |
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TEL | 0727514820 |
山号 | 常念山 |
院号 | 令聲院 |
宗派 | 浄土宗 |
本尊 | 阿弥陀如来(木造・坐像) |
札所 | 摂津国三十三所観音霊場第21番(北摂三十三ヶ所観音霊場) |
法伝寺は、大阪府池田市神田にある浄土宗の寺院です。山号は常念山、院号は令聲院と称します。創建の詳しい時期は不明ですが、平安時代後期頃の木造仏像を有しており、この地の古い信仰に由来すると考えられます。住宅街の中に位置しながら、寺域は高い塀に囲まれ立派な山門を構えており、歴史を感じさせる佇まいです。浄土宗の寺院として阿弥陀如来を本尊とし、摂津国三十三所観音霊場(北摂三十三ヶ所観音霊場)の第21番札所に数えられています。
法伝寺の山門(正門)は堂々とした形式で、境内は周囲を高さのある塀で囲まれています。門扉は普段閉ざされていることも多いですが、その重厚な造りから寺の由緒ある雰囲気が伝わってきます。門前からでも歴史を感じさせる風格が漂い、住宅街の中でひときわ目を引く存在となっています。
境内中央には本堂が建ち、浄土宗の本尊である阿弥陀如来を安置しています。本尊の阿弥陀如来坐像は平安時代後期(10世紀末頃)制作と推定される木造仏像で、長い歴史を経て当寺に伝わっています。本堂内には他にも法要の際に掲げられる絵画や仏具が収蔵されており、江戸時代中期に描かれた絵画「涅槃図」や「当麻曼荼羅図」など貴重な寺宝も所蔵しています。
本堂の脇には鐘楼堂(しょうろうどう)があり、大型の梵鐘(つり鐘)が吊るされています。この梵鐘は江戸時代に鋳造されたもので、鋳物師・大谷相模大掾藤原正次による銘があり、当時の鋳造技術を今に伝えるものです。大晦日には除夜の鐘として撞かれるなど、鐘楼は地域に時を告げる役割も果たしてきました。
法伝寺の本尊は阿弥陀如来坐像で、その穏やかな表情と落ち着いた姿は長年にわたり信仰の中心となっています。この阿弥陀如来像とともに、平安時代末~鎌倉時代初期頃に制作されたとみられる観音菩薩立像も安置されています。観音菩薩像は十一面観音とも伝わり、北摂三十三観音霊場の札所本尊として巡礼者から篤く礼拝されてきました。いずれの仏像も木造の古仏であり、池田市内に残る文化財的にも貴重な遺産です。
1745年
(延享2年)
阿弥陀浄土の情景を描いた「当麻曼荼羅図」が制作され、当寺に伝わっている。
1759年
(宝暦9年)
釈迦入滅の情景を描いた「涅槃図」がこの年に描かれ、寺宝として現存している。
1980年
(昭和55年)
「摂津国三十三箇所観音霊場」が発足し、法伝寺が第21番札所に定められた。