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正業寺しょうごうじ

戦国時代に創建され、地域に根差して再建を重ねてきた浄土真宗本願寺派の寺院

所在地 大阪府吹田市山田東4丁目30-6
電話 06-6877-1818
宗派 浄土真宗本願寺派
山号 霽嶺山(せいれいざん)
本尊 阿弥陀如来
創建 天文22年(1553年)

阪神・淡路大震災を経て新たな本堂を建立し、現代では地域に開かれた信仰と交流の場として親しまれている

正業寺の創建は戦国時代の天文22年(1553年)にまでさかのぼり、当初は浄土真宗の道場として開かれたと伝えられています。一部の地元資料では、さらに古い平安時代(9世紀)に起源を遡る歴史ある寺院とも言われています。以来、江戸時代を通じて山田地域の人々の菩提寺として親しまれ、地域社会と深いかかわりを持ってきました。

正業寺は1995年の阪神・淡路大震災で本堂が被害を受け、その後、平成15年(2003年)に本堂を中心とした伽藍の大規模な再建工事が行われました。現在の本堂は美しく整備されており、歴史を感じさせる寺でありながら、建物自体は新しく、古風な趣と現代的な清潔さを兼ね備えています。境内は隅々まで手入れが行き届き、四季折々の草花や植栽が訪れる人の目を楽しませてくれます。観光客にとっては、喧噪から離れて静かに散策しながら歴史に思いを馳せることのできるスポットです。

  • 本堂

    現在の本堂は平成15年(2003年)に再建された鉄筋コンクリート造の新しい建物です。 伝統的な浄土真宗寺院の様式を踏襲しながら近代的に整備されており、内部外部ともに清潔で頑丈な造りとなっています。 内陣にはご本尊・阿弥陀如来像が安置され、柔和な表情で参拝者を迎えています。 地域の法要や集会の場として利用されるほか、かつては子ども向けの絵画教室や音楽教室も開かれ、地域コミュニティの拠点としての役割も担ってきました。

  • 山門

    正業寺の入口に建つ山門は、落ち着いた瓦葺きの薬医門様式で、白壁と木造門柱の対比が美しい造りです。 山門脇には「正業寺」と刻まれた石の寺標が建立され、訪れる人を迎えています。 門をくぐると整えられた参道と植栽が広がり、小規模ながら心安らぐ境内空間が広がります。観光客にとっても写真映えするスポットであり、寺の歴史と風格を体現しています。

  • 仏像・寺宝

    本尊は阿弥陀如来像で、開創当時からのものと伝えられています。 公式指定の文化財はありませんが、歴代住職ゆかりの仏具や過去帳など、寺内には長い歴史を物語る寺宝が守られています。 参拝時には阿弥陀如来像に手を合わせ、静かで穏やかな御姿から心の安らぎを得ることができます。

  • 境内と庭園

    境内はこぢんまりとしていますが手入れが行き届いており、再建された本堂や庫裏を取り囲む植栽が四季折々の彩りを添えています。 春には可憐な花が咲き、秋には落葉が石畳を彩り、清潔感のある空間設計が訪れる人を癒します。 特別な庭園はありませんが、門前から本堂へ続くアプローチや中庭の玉砂利が整備され、散策や憩いの場として親しまれています。

  • 年中行事

    正業寺では年間を通じて多彩な仏事が行われます。 春秋の彼岸法要や宗祖親鸞聖人の命日にちなむ報恩講は重要な行事として勤められます。 また、地域寺院と合同で開催される花まつり(灌仏会)では甘茶が振る舞われ、お釈迦様の誕生を祝います。 大晦日には除夜の鐘が撞かれ、新年を迎える法要が営まれるなど、地域住民に開かれた寺院として親しまれています。

正業寺のあゆみ

  • 平安時代
    (9世紀)

    起源

    伝承によれば、この地に寺院が創建された時期とされる(詳細な史料は不明)。

  • 1553年
    (天文22年)

    正業寺の創建

    浄土真宗本願寺派の道場として開かれる。山号を「霽嶺山」、本尊を阿弥陀如来として創立。

  • 江戸時代

    地域の信仰の中心

    山田村の寺院として存続し、寺子屋的な活動や年中行事を通じて地域に貢献。

  • 明治時代
    (1868-)

    近代の歩み

    廃仏毀釈の荒波を受けつつも存続し、近代以降も浄土真宗寺院として活動を継続。

  • 昭和20年代

    戦後復興

    戦後の混乱期を経て地域の復興とともに寺院も再整備が進められる。

  • 1995年
    (平成7年)

    阪神・淡路大震災

    本堂が半壊する被害を受ける。

  • 2003年
    (平成15年)

    本堂再建

    本堂をはじめとする伽藍の再建工事が完了。創建以来450年の節目に、近代的設備を備えた新本堂が落成。

  • 令和時代
    (現在)

    地域に開かれた寺院

    法要やイベントを開催し、伝統を守りつつ誰もが気軽に立ち寄れる観光スポット・信仰の場として親しまれている。

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