| 寺院名 | 常住山 本教寺 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府豊中市立花町1丁目9-30 |
| 宗派 | 日蓮正宗(日蓮宗系の一派) |
| 山号 | 常住山(じょうじゅうざん) |
| 開創 | 1981年(昭和56年) |
| 開基・創建者 | 日顕上人(阿部日顕) ― 当時の日蓮正宗法主による発願により創建 |
本教寺の歴史は、昭和後期の宗教的混乱の中から始まりました。 近隣の寺院が宗門を離脱し、北摂地域における日蓮正宗の布教拠点が失われたことを受け、 総本山大石寺第67世法主・日顕上人の主導により新たな寺院として創建されました。 1981年(昭和56年)9月25日、豊中市立花町の現在地に本教寺が開創され、日顕上人自ら導師を務めて落慶入仏法要が営まれました。 当初は企業の社宅を転用した仮本堂を用いた簡素な建物でしたが、これは一刻も早く布教拠点を確立するための措置でした。
創建以降、本教寺は大阪府北部から兵庫県伊丹市にかけて広範な檀信徒を擁し、 地域の信仰の拠点として活動を開始します。 開基である日顕上人の強い後押しのもと、檀信徒と僧侶は将来の本格的な伽藍建立を目標に、 布教と寺門の維持に尽力しました。 平成期に入ると、社会の変化や経済不況、宗創紛争(創価学会との分離問題)など宗教界を取り巻く困難がありましたが、 本教寺は宗門直属の正統寺院として教線を守り抜き、信徒の信仰生活の支えとなりました。
やがて創建から25年以上が経過し、老朽化した仮本堂に代わる本格的な堂宇建立が具体化します。 2008年(平成20年)11月24日、新築本堂と庫裡の落慶法要が執り行われ、 第68世法主・日如上人を大導師に迎え、御本尊・仏像の奉安が厳かに行われました。 この本堂建立は、長年にわたる檀信徒の信仰と浄財によって実現したものであり、 地域信徒の団結と篤い信仰心の象徴とされています。
以後も本教寺は地域社会に寄り添いながら発展を続けています。 平成20年代後半には境内整備が進み、墓地設備の充実や参拝者が集える本堂前広場の造成が行われました。 令和の時代に入り、創建から40年以上を経た本教寺は、初期を知る世代から次世代へと信仰が受け継がれています。 その歩みは、北摂地域における日蓮正宗教団史の一頁を刻み、現代にも息づく宗門再建の象徴として輝きを放っています。
本教寺の本堂は2008年に新築落慶した鉄筋コンクリート造の堂宇で、伝統的な入母屋造を採用。 唐破風を備えた優美な屋根が印象的で、新しい建物でありながら風格と古寺の趣を兼ね備えています。 正面には広い石畳の前庭が広がり、法要や参拝者の集会、車輌の乗り入れにも対応。 縁側状の回廊が四方を囲み、雨の日でも檀信徒が濡れずに参拝できる設計となっています。
本堂に隣接する庫裡は、住職の居宅を兼ねた建物で本堂と同時期に新築。 寺務所・客殿・台所などを備え、法要後に信徒が休息したり、遠方からの参拝者が控えるスペースも整えられています。 渡り廊下で本堂と接続され、僧侶や寺関係者の動線にも配慮された設計です。 これにより、本教寺は本格的な伽藍を備える近代寺院として完成しました。
墓地は本堂の背後の高台に位置し、水はけと日当たりに恵まれた静かな環境です。 檀信徒の先祖代々の墓石が整然と並び、春秋の彼岸やお盆には僧侶の読経供養が営まれます。 墓地内には永代供養塔や納骨堂も整備され、近年の多様な供養ニーズにも応じています。 境内は小規模ながら清掃が行き届き、静けさの中に信仰の温かみが感じられます。
境内入口には石柱門が立ち、山号「常住山」の額が掲げられています。 門扉には寺紋があしらわれ、質素ながらも厳かな印象を与えます。 本堂前の広場は塔頭や鐘楼こそないものの、法要時には受付やテントを設けて柔軟に活用され、 檀信徒が集う開かれた空間となっています。
本堂内部は伝統と現代美が調和した造り。 内陣には漆塗りの須弥壇と荘厳具が整えられ、日蓮正宗の大曼荼羅御本尊を安置。 外陣には木目調の長椅子が並び、折上格天井風の天井と和風吊り灯籠が穏やかな光を放ちます。 新築でありながら「新しき中にも古色蒼然とした趣」をたたえ、地域のランドマークとして親しまれています。
1981年(昭和56年)9月25日
大阪府豊中市立花町に常住山本教寺が創建される。 日蓮正宗第67世法主・日顕上人猊下を導師に迎え、開堂の落慶入仏法要を厳修。 初代住職が着任し、社宅を改装した仮本堂にて布教活動を開始した。
2008年(平成20年)11月24日
本教寺の本堂および庫裡の新築落成法要を挙行。 第68世法主・日如上人猊下を大導師に迎え、本堂落慶奉告が行われる。 新本堂は入母屋造瓦葺きの伝統様式で建立され、寺観整備が完了。 本教寺は本格的伽藍を備えた寺院として再出発を遂げた。
2020年(令和2年)
創建40周年を迎え、記念行事を開催。 新型コロナウイルス感染症の影響により規模を縮小しつつも、 檀信徒によるオンライン法要など新たな形を取り入れて節目を祝った。
2025年(令和7年)現在
現在、本教寺は豊中市および周辺地域において約○○世帯の信徒を擁し、 北摂地域の日蓮正宗布教の拠点として活動中。 創建からの歴史は浅いものの、檀信徒の篤い信仰と団結に支えられ、 今後も地域に密着した寺院として信仰と歴史を次代へ伝えていくことが期待されている。