所在地 | 大阪府吹田市内本町3-18-9 |
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TEL | 06-6381-0661 |
宗派 | 浄土真宗本願寺派 |
山号 | 難思山 |
本尊 | 阿弥陀如来(阿弥陀如来立像) |
創建 | 安永5年(1776年)頃 |
弘誓寺の入口に立つ山門は、周囲にゆとりを持って配置されており、門をくぐると視界が大きく開けて境内の広がりを感じます。素朴ながら風格ある門越しに見る本堂は、静かな街並みに溶け込みつつも存在感を放っています。
奥に建つ本堂は浄土真宗の典型的な伽藍で、内部に阿弥陀如来をご本尊として安置しています。ゆったりとした広間を持つ堂内では、毎月3日午前10時から定例の法座(仏教講座)が開かれ、地域の門信徒が集います。本堂前には合掌して念仏を唱える参拝者の姿も見られ、古寺の穏やかな信仰生活の一端を垣間見ることができます。
山門を入ってすぐ右手には重厚な造りの鐘楼(鐘堂)があり、その存在感がひときわ目を引きます。朝夕の時刻には荘重な鐘の音が近隣に響き渡り、寺が現在も生きた信仰の場であることを感じさせます。また、境内には太鼓楼(鼓楼)も備わっており、往時には時報や法要の合図に太鼓が打ち鳴らされました。弘誓寺の太鼓楼は歴史的価値が高く、吹田市の文化財担当によって詳細な実測調査が行われています。
寺の門前には小さなお堂があり、川面地蔵尊(かわづらじぞうそん)と呼ばれる7体の小型地蔵尊と1体の大型地蔵尊、計8体の石仏が安置されています。これらのお地蔵さんは地域住民から篤く信仰され、昭和の頃までは毎年8月23日・24日に盛大な地蔵盆が催されていました。現在では定期的な祭事は行われていないものの、祠には綺麗な前掛けを付けられた地蔵尊たちが祀られ、往時の賑わいを今に伝えています。
1776年
(安永5年)
弘誓寺が現在地に創建される。浄土真宗本願寺派の寺院として開基(開山不詳)。
江戸後期
境内伽藍(本堂・鐘楼など)が整備される。門前には川面地蔵尊が祀られ、地元住民の信仰を集める。
昭和戦前~中期
毎年8月23・24日に地蔵盆の祭礼を開催。地域の恒例行事として大いに賑わった。
1945年
(昭和20年)
太平洋戦争終戦。弘誓寺の建物は戦災を免れ、戦後も地域復興とともに信仰を継続した。
1980年代
本堂・山門などの修繕が行われ、境内が整備された。都市化の進む中でも静かな環境を維持。
2017年
(平成29年)
吹田市教育委員会文化財保護課により『弘誓寺太鼓楼建築調査報告書』が刊行。鼓楼建築が学術的観点から記録・評価された。
令和時代
定例法座や年中行事を通じて地域住民に開かれた寺として健在。静かな佇まいと歴史的建造物が訪れる人々に安らぎと文化的興味を与えている。