所在地 | 大阪府池田市古江町58 |
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TEL | 0727516474 |
宗派 | 浄土真宗本願寺派(真宗大谷派ではなく西本願寺系) |
本尊 | 阿弥陀如来(あみだにょらい) |
創建 | 江戸時代前期(寛文年間ごろ、17世紀半ば) |
開基 | 不詳 |
如来寺(にょらいじ)は、大阪府池田市古江町にある浄土真宗本願寺派の寺院です。 江戸時代初期に開創されたと伝わり、旧・妙見街道沿いに位置する寺院で、約360年の歴史をもつ古刹になります。現在の住職は第十九世であり、開創以来、浄土真宗の寺院として地域コミュニティの紐帯(ちゅうたい)の役割を果たしてきました。近年では高齢者福祉を目的とするNPO法人の事務局を担い、本堂で落語会を開催するなど、地域に開かれた寺院としての活動も行っています。
如来寺の本堂は、寺院の中心となる正堂です。創建以来幾度かの修繕・再建を経て現在に伝わっており、内部には本尊の阿弥陀如来を安置しています。木造平屋建ての伝統的な仏教建築で、内部正面に荘厳(仏壇)を構え、法要や地域の集会の場として利用されています。近年では、この本堂で落語会などの文化行事も開催されており、寺院建築を生かした交流の場ともなっています 。畳敷きの広間には椅子席も用意され、高齢の参拝者にも配慮した空間となっています。
山門は如来寺の入り口にあたる門です。旧・妙見街道に面した位置に建てられており、寺域への玄関口の役割を果たしています。格式の高い寺院に見られる楼門のような大規模な門ではなく、比較的質素な一間(一軒)門構えですが、歴史を感じさせる落ち着いた風格があります。門柱や梁など木部には長年の風雨に耐えた痕跡が刻まれ、地域の人々から親しまれる景観の一部となっています。山門をくぐると正面に本堂が望め、境内へと続く参道には石畳が敷かれています。
如来寺に安置されている仏像の中心は、本尊の阿弥陀如来像です。阿弥陀如来立像(または坐像)が本堂内陣に祀られており、江戸時代の創建時から伝わるものとされています。穏やかな表情で来迎印(らいごういん)を結んだ阿弥陀如来は、浄土真宗の信仰対象として寺内外の門徒から篤く礼拝されてきました。一般的に浄土真宗寺院では開山の親鸞聖人や蓮如上人の御影(絵像)も安置されますが、如来寺でも本尊阿弥陀如来の左右に歴代高僧(親鸞聖人など)の絵像や木像が掲げられている可能性があります。その他、境内には地蔵菩薩像などの小さな石仏や慰霊碑も置かれており、地域の信仰の場となっています。
1665年
(寛文5年)
江戸時代前期、寛文年間(1660年代)に如来寺が開創されました。詳細な創建事情は不詳ですが、江戸幕府の治世下で比較的平和な時期に、当地の浄土真宗門徒によって寺院が建立されたと伝えられています。池田周辺は当時から信仰厚い土地柄であり、如来寺も「念仏道場」として門徒の寄進や支援を受けて成立したものと思われます。創建当初は小堂だったものが、時代とともに本堂や山門などの伽藍が整備され、地域に根付いた寺院へと発展していきました。
1951年
(昭和26年)
戦後昭和期、第二次世界大戦後の社会制度改革に伴い、如来寺は昭和26年に宗教法人法に基づく宗教法人として登記・組織化されました。明治維新後の廃仏毀釈の嵐を乗り越え、近代以降も地域の浄土真宗寺院として存続していた如来寺は、戦中・戦後の混乱期も檀信徒の支えにより寺を守り抜きました。戦後日本の宗教法人制度発足により、1951年に正式に「宗教法人 如来寺」として登録され、以降は法人運営の体制で寺務が行われています。これにより、従来からの地域活動や仏事に加え、社会福祉など公共性の高い活動も展開しやすくなりました。
2001年
(平成13年)
平成時代に入り、平成13年頃に現住職である釈徹宗氏が如来寺の第十九世住職に就任しました。釈徹宗住職は宗教学者としての知見を活かし、寺院の伝統を守りつつ新たな地域貢献活動を推進しています。例えば、高齢化社会に対応するためにNPO法人「リライフ」を設立し、如来寺がその運営事務局を担う形で高齢者福祉の支援を行っています。また、「お寺を地域に開かれた場にしたい」との理念から、本堂での落語会や各種講演会の開催、子供向け行事の企画など、従来の宗教行事に加えて文化的・社会的な催しを積極的に実施しています。これらの取り組みにより、如来寺は現代においても地域住民に寄り添う身近な寺院として、その歴史を新たな形で紡ぎ続けています。