所在地 | 大阪府吹田市内本町3-1-22 |
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TEL | 06-6382-0070 |
宗派 | 曹洞宗(禅宗) |
山号 | 百丈山(ひゃくじょうざん) |
本尊 | 聖観世音菩薩(聖観音) |
創建 | 大永年間(1521~1528年)頃 |
旧称 | 崇守院(すうしゅいん) |
備考 | 境内に樹齢500年超の大楠(吹田市の市木)あり |
大雄院の歴史は戦国時代にまで遡ります。大永年間(1520年代)に天台宗の寺院「崇守院」として吹田村の宮前に創建されたと伝わりますが、文亀2年(1502年)に中島崇禅寺の第14世・雪渓和尚が二世住職となった際に曹洞宗へと改宗しました。文禄3年(1594年)の吹田村検地帳にも旧名「崇衆院」として記録が残り、当時からこの地に寺院が存在していたことが確認できます。江戸時代以降は地域の菩提寺として住民の信仰を集め、現在の「大雄院」という寺号に改められました。
境内には趣ある山門と堂々たる本堂があり、本尊の聖観世音菩薩(聖観音)が安置されています。法要の際には読経が響く厳かな空間となり、訪れる人々に仏縁を感じさせます。境内は四季折々に彩りを見せ、春にはツツジや牡丹、秋には紅葉が楽しめます。さらに現代的なニーズに応える屋内納骨施設「大阪吹田御廟」も新設され、古刹でありながら地域に開かれた寺院として発展を続けています。
また、境内には樹齢500年を超える大楠がそびえ、吹田市の象徴的な自然遺産として訪れる人々の目を楽しませています。青空に映えるその姿は大雄院の歴史とともに地域に息づき、悠久の時を伝えています。
伝統的な様式の山門は普段から開放され、自由に境内へ出入りできます。地蔵盆など行事の際には提灯が飾られ、賑やかな雰囲気になります。門をくぐると石畳の参道が静かに延び、寺域へと誘います。
境内中央に建つ入母屋造瓦葺きの本堂。緩やかな反りを描く大屋根は存在感があり、遠目にも目を引きます。内部には本尊・聖観音菩薩像が安置され、お盆や彼岸の法要、檀信徒の法事が営まれる厳かな場です。
本堂前にそびえる推定樹齢500年以上のクスノキ。地域では「トトロの木」と呼ばれ親しまれています。新緑の季節には青空に映え、夏は涼しい日陰を作ります。吹田市の「市民の木」にも指定され、生命力の象徴として四季折々に美しい姿を見せています。
本堂脇の庭にはツツジやサツキなど四季の花木が植えられ、初夏には鮮やかな花が境内を彩ります。境内には歴代住職の墓碑や供養塔、地域史を伝える石碑があり、西隣には稲荷大明神の小祠も祀られています。静かな境内を散策しながら、地域とのつながりを感じられるスポットです。
1502年
(文亀2年)
前身寺院の第2世住職として雪渓和尚が就任。天台宗から曹洞宗へ転じ、大雄院の法脈が始まる。
1521~1528年
(大永年間)
宮前の地に天台宗寺院「崇守院」として開創。創建年代には諸説あるが、この時期に寺伝が始まったとされる。
1594年
(文禄3年)
吹田村の検地帳(早田家文書)に「崇衆院」として記録され、当時の寺領や堂宇の存在が確認される。
明治時代
(1868~)
廃仏毀釈などの動乱を経ても存続し、吹田町の人々の菩提寺として継承される。
昭和戦後期
都市化が進む中で寺域が整備され、文化財や緑地として保全に努める。境内の大楠は吹田市の象徴的な名木として知られるようになる。
2023年
(令和5年)
境内に近代的な屋内納骨堂「大阪吹田御廟」が竣工し、4月2日に落慶法要が行われる。従来の墓地に加え永代供養施設が整備され、古刹の風情と現代的設備を併せ持つ寺院として地域の信仰を支えている。