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大智寺だいちじ

昭和初期に創建され、千船山の名のもと地域布教を担う高野山真言宗寺院

寺院名 大智寺(だいちじ)
所在地 大阪府大阪市西淀川区大和田1丁目3-21
山号 千船山
宗派 高野山真言宗
本尊 不動明王
創建 1929年(昭和4年)
開山 安藤智順(初代住職)/川村大忍
アクセス 阪神本線「千船駅」より徒歩約10分

戦災からの再興を経て、不動明王信仰と護摩祈祷を今に伝える町中寺院

大智寺は、大阪市西淀川区大和田に位置する高野山真言宗の寺院で、昭和初期に創建された比較的新しい寺院です。その起源は1929年(昭和4年)、千船地区に「千船教会」と呼ばれる真言宗の布教所が設立されたことに始まります。開設当初は安藤智順が主任を務め、川村大忍が任教師(布教担当)として地域での布教活動にあたりました。

太平洋戦争末期の1945年(昭和20年)に起こった大阪大空襲では、本堂を含む寺施設が被災し全焼しましたが、翌1946年(昭和21年)には早くも再興が図られ、この際に寺号を「大智寺」と改め、安藤智順が初代住職に就任しました。戦後復興の中で寺院としての体制が整えられていきます。

1952年(昭和27年)には本堂が再建され落成しましたが、同年2月8日、創建以来寺を指導してきた安藤智順初代住職が遷化します。その後は川村大忍が第二世住職を継承し、堂宇の整備がさらに進められました。1954年(昭和29年)には不動明王を祀る不動堂が建立され、1956年(昭和31年)には弘法大師を祀る大師堂の落慶供養が営まれるなど、境内の主要伽藍が整えられました。

以降、大智寺は地域の寺院墓地として法要や納骨の場を提供してきましたが、一般参拝は受け付けておらず、通常は境内への立ち入りや本堂内での参拝はできません。ただし、寺院外から建物外観を見学することは可能で、状況によっては寺務所で御朱印を受けられる場合もあります。現在も地域に根ざした高野山真言宗寺院として、その役割を静かに果たしています。

  • 本堂

    大智寺の本堂は、鉄筋コンクリート造の建物の2階部分に設けられた独特の構造を持つ堂宇で、昭和27年(1952年)に再建されました。正面には寺号「大智寺」の額が掲げられ、屋根は切妻造瓦葺きの寺院様式となっています。内部には本尊・不動明王像が安置され、通常は堂内非公開ながら、ガラス戸越しにその姿を拝観することができます。

  • 不動護摩堂

    本堂建物の1階正面に位置する不動護摩堂は、昭和29年(1954年)に建立された堂宇で、不動明王を祀り護摩祈祷を行う道場です。正面には「不動護摩堂」の扁額が掲げられ、内部には護摩壇が据えられています。普段は扉が閉ざされていますが、格子越しに堂内の様子をうかがうことができ、護摩修法の荘厳な雰囲気が感じられます。

  • 大師堂

    弘法大師(空海)を祀る大師堂は、昭和31年(1956年)に落慶した堂宇です。本堂とは別棟として境内の一角に建てられ、小規模ながら信徒にとっては御影堂として大切にされています。堂内には弘法大師坐像が安置されていますが、通常は内部非公開です。

  • 稲荷堂・境内の小祠

    境内には小祠として稲荷堂(稲荷社)が祀られており、朱色の幟や燈籠が配された一画が見られます。寺院の守護的存在として、ひっそりと境内を見守っています。

  • 由緒碑・境内の佇まい

    寺院入口付近には、大智寺の創建から戦災・再建に至る歴史を刻んだ由緒碑が建立されています。境内は広くはありませんが、植栽や石仏が配置され、都市部にありながら静かな佇まいを保っています。一般公開は行われていないため、見学は門前から外観や碑文を眺める形となります。

大智寺のあゆみ

  • 1929年
    (昭和4年)

    千船教会の設立

    大阪市西成郡千船に真言宗の布教所「千船教会」が設立されました。初代主任として安藤智順、任教師として川村大忍が着任し、地域布教の拠点として活動を開始します。

  • 1945年
    (昭和20年)

    大阪大空襲による全焼

    大阪大空襲により堂宇が焼失し、大智寺は戦災によって全焼しました。寺院としての活動は一時中断を余儀なくされます。

  • 1946年
    (昭和21年)

    寺号「大智寺」の公称と復興

    焼失の翌年、寺院の再建復興が行われ、寺号を「大智寺」と公称。安藤智順が初代住職に就任し、寺院として再出発しました。

  • 1952年
    (昭和27年)

    本堂落成と住職継承

    再建された本堂が落成しました。同年2月8日、初代住職・安藤智順が遷化し、後任として川村大忍が第2世住職に就任しました。

  • 1954年
    (昭和29年)

    不動護摩堂の建立

    不動明王を祀る不動堂(不動護摩堂)が建立され、落慶法要が厳修されました。護摩祈祷の道場としての体制が整えられます。

  • 1956年
    (昭和31年)

    大師堂の完成

    弘法大師(空海)を祀る大師堂が完成し、落慶供養が営まれました。これにより本堂・不動護摩堂・大師堂が揃い、現在の寺観が整いました。

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