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南林寺なんりんじ

江戸初期に中興され、地域に根付いた浄土真宗大谷派の寺院

所在地 大阪府吹田市山田東1-8-5
TEL 06-6877-0033
宗派 浄土真宗大谷派(本山:東本願寺)
山号 金色山(こんじきざん)
創建 江戸時代初期(元和年間、17世紀前半)
本尊 阿弥陀如来立像

天保年間の伽藍再建を経て、現在も本尊・阿弥陀如来を安置し信仰を伝える古刹

南林寺は江戸時代初期の元和年間(1615~1624年)頃、住職・班翁(ばんのう)によって中興されたと伝えられています。もともとこの地には小堂が存在していたものの、寺院として再興されたのは江戸初期であり、以後は地域の浄土真宗寺院として信仰を集めてきました。天保11年(1840年)には住職・了忍によって伽藍が再建され、現存する本堂はその際に建て直されたものとされています。本堂には本尊・阿弥陀如来立像が安置され、優しいお顔立ちで参拝者を迎えています。南林寺は吹田市北部の山田地区にひっそりと佇み、細い路地に囲まれた昔ながらの集落の中にあります。訪れる人は少し迷うかもしれませんが、一歩境内に足を踏み入れると静かな歴史の空間が広がり、地域に根ざした古刹の趣を感じることができます。

南林寺では年間を通じて様々な仏事が営まれ、地域の人々の信仰の拠り所となっています。毎年1月1日には新年の修正会(しゅしょうえ)が厳修され、春秋には彼岸会が行われます。5月の第3日曜日には永代経法要、8月13・14日には盂蘭盆会(お盆法要)が営まれ、宗祖・親鸞聖人の御命日にちなむ報恩講も秋に行われます。これらの法要は門徒にとって大切な行事であるとともに、地域の参詣者で賑わう場ともなっています。法要に合わせて寺宝の公開や法話会が催されることもあり、観光で訪れた人でも参加しやすい雰囲気を持つ寺院です。

  • 山門と参道

    石畳の参道を進むと瓦葺きの山門が現れます。門前では小坊主の石像が両脇に立ち、愛らしい姿で参拝者を迎えます。 提灯風の飾り灯籠が掲げられ、夜間には幽玄な雰囲気を漂わせます。山門脇には「金色山南林寺」と刻まれた寺号標の石柱も立っています。

  • 本堂

    山門をくぐると正面に堂々とした木造瓦葺きの本堂があります。1840年(天保11年)の再建以来、修繕を重ねながら現存する建物です。 内部正面にはご本尊・阿弥陀如来像が安置され、その左右には親鸞聖人と蓮如上人の立像が祀られています。 穏やかな表情の仏像は参拝者に安らぎを与えています。

  • 地蔵堂と石仏

    本堂脇の小堂には子安地蔵尊が祀られ、子供の守り神・延命長寿の仏として信仰されています。 また境内には六地蔵石仏も安置され、墓参の人々が手を合わせる姿が見られます。静かに佇む石仏群は境内に霊気を添えています。

  • 布袋尊像

    境内には七福神の布袋尊石像があり、丸いお腹に笑顔が特徴ですが、南林寺の布袋尊は足が長く造られたユニークな姿をしています。 そのコミカルな造形は参拝者を和ませ、笑顔を与えてくれる存在です。

  • 太鼓楼(鼓楼)

    鐘楼はなく、本堂脇に小さな木造の太鼓楼があり、法要や朝夕に太鼓の音が響き渡ります。 素朴な太鼓楼は寺の日常を伝える存在であり、地域の「音風景」として親しまれています。

南林寺のあゆみ

  • 元和年間
    (1615~1624年)

    中興

    当時の住職・班翁により南林寺が中興(再興)される。

  • 天保11年
    (1840年)

    伽藍再建

    第○世住職・了忍により本堂を含む伽藍が再建される。

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