所在地 | 大阪府吹田市千里山西2丁目15-3 |
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TEL | 06-6384-6676 |
宗派 | 浄土真宗(三門徒派) |
山号 | 不明 |
本尊 | 阿弥陀如来 |
創建 | 江戸時代(17世紀頃) |
八洲寺は江戸時代に創建されたと伝えられ、寛文年間(17世紀後半)頃に当地に浄土真宗の道場が開かれたと考えられています。以来、長きにわたり地域の門徒の拠り所として信仰を集めてきました。明治維新期の廃仏毀釈や第二次世界大戦中の戦災などで多くの寺院が打撃を受けた中でも、八洲寺はそうした困難を乗り越えて寺格を保ち続け、今日まで存続しています。現在も近隣住民の菩提寺として、お彼岸やお盆の法要で門信徒が集い、地域に根ざした活動を続けています。
山門は木造の門と白壁の塀が街並みに溶け込み、境内は緑に囲まれています。浄土真宗の寺院らしく開放的で、誰でも気軽に立ち寄れる雰囲気があります。また近年では、八洲寺は伝統文化の発信拠点としても知られています。住職・田中宗悟師は華道の家元であり、裏千家の茶道教室「八洲庵」を境内で主宰。寺内には三畳・四畳半・八畳の茶室が三室あり、外露地・内露地を備えた庭とともに和の空間が充実しています。お寺でありながら茶道や生け花といった日本文化を体験できる場となっており、観光客にとっても伝統文化に触れられる魅力的なスポットです。
八洲寺の本堂は浄土真宗寺院らしい木造瓦葺きの堂宇です。内部は畳敷きで阿弥陀如来の御本尊が安置され、荘厳な内陣にはお念仏の仏具が配置されています。 法要や年中行事の際には住職と門徒が集い、厳かな雰囲気の中でお勤めが行われます。
寺の入口にあたる山門は一間門形式のこぢんまりとした造りです。格子戸越しに境内の様子が見え、門前には石畳の参道が続きます。 門柱には「真宗 八洲寺」と刻まれた石碑が据えられ、街中にありながら落ち着いた寺院の風情を漂わせています。
本堂に安置されている阿弥陀如来立像は八洲寺の御本尊です。浄土真宗の開祖・親鸞聖人が仰いだ阿弥陀仏で、極楽浄土へ導く仏様として篤く信仰されています。 創建当初に本山から下付された木仏と伝えられ、江戸時代から大切に祀られています。
境内の一角には茶道教室「八洲庵」の茶室と庭園があります。飛石が配された露地には手水鉢や灯籠が趣きを添え、外露地と内露地が巧みにレイアウトされています。 数寄屋造り風の茶室は床の間を備え、季節の草花で飾られています。予約制ですが、お茶会や稽古の様子を見学できる場合もあり、日本文化を体感できるスポットです。
八洲寺では春秋のお彼岸法要や夏のお盆(盂蘭盆会)、秋の報恩講など、年間を通じて多彩な行事が営まれます。 報恩講では参拝者にお汁粉が振る舞われるなど温かな雰囲気が広がります。大晦日には除夜の鐘を撞くこともでき、地域の人々とともに新年を迎えることができます。
1660年代
(江戸時代前期)
浄土真宗の道場として八洲寺の前身が創建されたと伝わる。当時この地域では浄土真宗の布教が盛んで、地域門徒の拠点として機能した。
1868年
(明治元年)
明治維新後の廃仏毀釈の影響を受けるも、信徒の支えにより廃寺を免れ、地元の人々の菩提寺として存続。仏教行事も継続した。
1945年
(昭和20年)
大阪大空襲の際、多くの寺院が戦災を受ける中、八洲寺は市街中心部から離れていたため大きな被害を免れた。戦後も祈りの場としての役割を果たし続けた。
2010年
(平成22年)
現住職・田中宗悟師により境内に茶道教室「八洲庵」が開設される。以後、茶道や華道の稽古や茶会が行われ、宗教施設を超えて地域の文化交流拠点としても注目されるようになった。