所在地 | 大阪府吹田市山田東3-17-15 |
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TEL | 06-6877-1786 |
宗派 | 浄土真宗本願寺派(西本願寺) |
山号 | 紅衣山(こうえざん) |
本尊 | 阿弥陀如来(西方極楽浄土の教主) |
創建 | 延宝元年(1673年) |
文化財 | 本堂内陣の格子天井画78面および内陣両側の金碧壁画(森狙仙筆)‐大阪府指定有形文化財 |
光源寺の寺伝によれば、奈良時代の僧・行基菩薩がこの地に創建し、かつて七堂伽藍と六つの坊を擁する大伽藍だったと伝えられます。しかし実際の開基は江戸時代の延宝元年(1673年)で、浄土真宗本願寺派の寺院として現在地に創立されました。以来、山田地域の門信徒の信仰の拠点となり、地域仏教会(山田仏教会)にも所属して共同の法要や行事を行っています。
江戸時代後期には、本堂内陣の荘厳として美しい天井画や壁画が描かれました。内陣の格子天井には極楽浄土の情景を表現すべく、当時千里丘陵から淀川流域に生息していた様々な野鳥や小動物が極彩色で描かれています。これら78枚の天井画と両壁面の金碧障壁画は、江戸後期の町人絵師・森狙仙(もり そせん)による作品で、大阪府の有形文化財に指定されています。
極楽浄土の世界観と身近な自然が融合したユニークな画題は見どころで、狙仙の動植物画ならではの生き生きとした描写が楽しめます。なお、これらの貴重な文化財を間近で見学するには事前予約が必要となっています。
明治以降も光源寺は地域に根差した寺院として存続し、第二次世界大戦の戦火も免れて江戸期以来の本堂と文化財を守ってきました。近年では寺院建築の老朽化に対応するため、本堂の大規模修復「令和の大改修」が行われ、令和6年(2024年)に落慶法要(完成記念法要)が厳修されました。ちょうど親鸞聖人750回忌・誕生850年の節目とも重なり、記念行事と合わせて盛大に執り行われています。この改修により本堂や境内は美しく整備され、今後も貴重な文化財を後世に伝えていく基盤が整えられました。
光源寺では伝統的な年中行事に加え、新たな試みとして地域交流イベントも開催しています。毎年正月の修正会や春秋のお彼岸法要、盂蘭盆会(お盆)、報恩講(親鸞聖人の御命日の法要)などの法要が営まれ、門信徒のみならず地域の人々も参加しています。さらに秋には山田仏教会による合同法要大会が光源寺本堂で催されるなど、近隣寺院と協力した行事も行われています。
近年では冬季に境内をライトアップする「イルミナイト光源寺」と称した催しも始まり、京都光華女子大学の学生と協力して境内を幻想的に彩る試みが好評を博しました。このように、伝統を守りつつ現代的なイベントも取り入れることで、光源寺は地域の憩いの場・交流の場としての役割も果たしています。
江戸時代建立の木造本堂。入母屋造瓦葺きの外観を持ち、内部には阿弥陀如来をご本尊として安置しています。天井には森狙仙が描いた極楽浄土の鳥獣図がはめ込まれ、壁面にも金地彩色の壁画が施されています。これらの絵は200年以上前の制作当時のまま残り、往時の信仰美術を今に伝えます。令和時代に大改修が行われたことで堂内外ともに美しく保たれ、荘厳な雰囲気の中で参拝できます。
本堂前には浄土真宗の開祖・親鸞聖人の立像が安置されています。常に聖人が門信徒を迎え、教えに導いてくださっていることを象徴する像で、境内のシンボル的存在です。参拝者は像に手を合わせて敬仰と感謝の思いを新たにし、像の背後に控える本堂とあわせて写真スポットにもなっています。
光源寺の入口にはシンプルな門と寺号を記した石碑があります。石碑には「浄土真宗本願寺派 紅衣山光源寺」と刻まれ、山号と寺院名を示しています。こぢんまりとした門前には掃き清められた石畳が敷かれ、寺域への厳かな雰囲気を醸し出しています。門を入ると正面に本堂、左手に庫裏などの建物が配されています。
境内は広くはありませんが、樹木や草花が丁寧に手入れされ、本堂前の植栽や石灯籠が雰囲気を高めています。四季折々の風情を感じられ、「美しい境内でした」と評する訪問者もいるほど。閑静な住宅街の中にあり、心安らぐスポットとして親しまれています。
年間を通じて修正会、彼岸会、盂蘭盆会、永代経法要、報恩講などの伝統行事が営まれ、一般参拝者も参加可能です。秋には山田仏教会による合同法要大会、冬には境内をライトアップする「イルミナイト光源寺」が催されます。特にイルミナイトは幻想的な雰囲気で人気を集め、新しい名物となりつつあります。
1673年
(延宝元年)
光源寺が浄土真宗本願寺派の寺院として創建。当初は山田村の人々の帰依を受け、地域の念仏道場として出発。寺伝では奈良時代に行基による開基とも伝えられる。
1773年
(安永2年)
本堂内陣の格子天井に極楽浄土を題材とした78枚の天井画が完成(画師:森狙仙)。あわせて内陣左右に金地彩色の壁画も描かれ、荘厳が充実した。
昭和期
(20世紀)
戦時中も戦火を免れ、江戸期の本堂と絵画が良好に保存された。戦後には境内整備や施設改修が行われ、昭和後期までに天井画・壁画が大阪府指定有形文化財に指定された(指定年代は不詳)。
平成以降
山田地域の都市化に伴い住宅街に囲まれる中でも、地域住民の信仰拠点として継続。平成8年(1996年)に現住職が第17代に就任。檀信徒の支援組織を整え、本堂改修計画を推進した。
2023年
(令和5年)
初のイルミネーションイベント「イルミナイト光源寺」を12月23日に開催。学生ボランティアと協力し、ライトアップされた境内を一般公開。新たな試みとして好評を博した。
2024年
(令和6年)
本堂の大規模修復「令和の大改修」が完了し、落慶法要を挙行。併せて親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年の慶讃法要が盛大に営まれた。修復により本堂の耐震補強や美観向上が達成され、文化財の保存環境も改善。これを機に地域交流イベントや次世代への法灯継承の取り組みが強化された。