所在地 | 大阪府吹田市山田東1丁目3-30 |
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電話 | 06-6877-1616 |
宗派 | 浄土真宗本願寺派 |
山号 | 無尋山(むじんざん) |
創建年 | 寛永7年(1630年) |
開基 | 浄雲上人 |
本尊 | 阿弥陀如来 |
光山寺は江戸時代初期の1630年(寛永7年)に開かれました。開基の浄雲上人は本願寺第十二代法主・准如上人の直弟子となって当地に寺院を創立したと伝えられています。以降、江戸時代を通じて山田地域の浄土真宗信仰の拠点として門徒(檀家)に支えられ、地域の人々の信仰生活に寄与してきました。寺号の「無尋山」は珍しい表記ですが、静かに真理を“尋ねない”境地を表す山号とも解釈でき、寺の落ち着いた佇まいによく合致しています。
境内は周囲を竹林や樹木に囲まれており、石段の参道を登ると小高い場所に開けた空間に本堂や鐘楼が配されています。現在の本堂は木造平屋建ての伝統的な真宗寺院の造りで、瓦葺の屋根をいただき質素ながら端正なたたずまいです。境内には親鸞聖人(浄土真宗の開祖)の像も安置されており、訪れる人々を静かに見守っています。
毎年、報恩講(ほうおんこう)など浄土真宗の年中行事の法要が営まれており、地域の門徒が集って先祖供養や親鸞聖人の遺徳を偲ぶ場ともなっています。観光客にとっては、華美な装飾はないものの、竹林に囲まれた石段や歴史を感じる堂宇の雰囲気が味わい深く、都会の喧騒を離れて静寂を体感できる隠れた名所となっています。
光山寺へは麓から伸びる竹林の参道を石段で登ります。勾配のある石段の両脇には竹や雑木が茂り、上りきった正面に簡素な門柱と境内が現れます。この石段と竹林が作り出す景観は趣があり、昔ながらの寺院へのアプローチとして人気の撮影スポットにもなっています。
境内中央に建つ本堂は入母屋造瓦葺きの堂宇で、正面に軒唐破風を持たないシンプルな構えです。創建当時から幾度か改修はされているものの、現在も木柱や梁などに古い趣きを残し、堂内には本尊阿弥陀如来が安置されています。普段は扉が閉じられていますが、法要の際には開帳され、荘厳な阿弥陀如来像とお内陣を見ることができます。
本堂の脇には小ぶりな入母屋屋根の鐘楼があります。梵鐘は朝夕や除夜の鐘などに撞かれ、澄んだ鐘の音が周囲の竹林に響き渡ります。その音色は境内の静けさと相まって、訪れた人々の心を落ち着かせるでしょう。
本堂前には浄土真宗の開祖・親鸞の立像があります。笠を被り杖を携えた旅姿の親鸞聖人像で、台座には「世の中安穏なれ、仏法ひろまれ」といった親鸞聖人の有名な言葉が刻まれています。参拝者は像の前で合掌念仏を捧げ、浄土真宗のみ教えに思いを馳せることでしょう。
境内には手水舎や石碑類などが見られます。特に目立った庭園設備はありませんが、自然の地形を生かした境内は四季折々に表情を変え、春の新緑や秋の落葉が風情を添えます。寺域はそれほど広くありませんが、素朴で静かな空間が広がっており、散策しながら心を静めるのに適したスポットです。
1630年
(寛永7年)
浄土真宗本願寺派の僧・浄雲上人が准如上人の門弟となり、山田村に光山寺を創建。以後、阿弥陀如来を本尊とする寺院として地域に根付き、江戸時代を通じて門徒の信仰の拠り所となった。
江戸時代~現代
地元門徒による維持のもと、明治・大正・昭和の各時代を経ても寺院は存続。戦災等による大きな被害もなく、境内の整備や本堂修復を行いながら現在に至る。令和の現在も報恩講や盆法要などの年中行事を営み、地域の人々に開かれた寺院として受け継がれている。